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021 吉原の家
所在地:
東京都台東区
主用途:
分譲マンション
竣 工:
2004年10月
床面積:
56.12m2
担 当:
元木 大輔
撮影:
小木 壮介
浅草から北に1kmほど行った遊楽で有名な「吉原」と呼ばれる場所に、斜線制限で3階以上を切り取られ、バルコニーの広いALCの鉄骨造マンションが建つ。ごく一般的な三角形の側面をもつ建物であり、そんなビルの4階にある一室を改修することになった。改修の目的としては切り取られたことによって、通常より広くとられ、室内面積の1/3以上あるバルコニー部を有効に利用することだった。既存ではバルコニーは広いが、それを意識して開口部はつくられていないため、バルコニーで感じられる気持ちよさが室内では感じられない状態になっている。
そこで、まず我々は開口部を大きく取り直すことを計画した。幸い、この建物は前述したように鉄骨ラーメンであるため、南側の壁は全てとりはずすことが出来た。そして、その部分に全て開ききるため、オープンカフェなどで使われる折れ戸を使用した。また、バルコニーは既に防水が施されているため、それを利用してバスルームを設置した。バルコニーの一部をバスルームにすることで、日々の生活からバルコニーを意識し、なじみのあるものとすることをかんがえた。それによって体験的にも内外の境界を消すことが出来ると考えたのだ。
また、視覚的にもその内外の境界を完全に消し去るため、二種類の行為を行った。一つは内外の境界、つまりサッシュによって分けられる部分に出来るだけ段差を生まないように、素材や段差の平均化を行った。次に、部屋全体を通して素材の切り替わるポイントを室内の真ん中まで移動させることにした。それは、室内で一番強く感じられるコントラストの差を内外の境界ではなく、そことは関係のない部屋の中央に移動することで見る者にバルコニーと室内が完全につながる感覚を与えたいと考えたのだ。
このような策を練って生まれ変わったこの「吉原の家」の特徴はリノベーションという一つのジャンルでくくられるものではなく、新築においても斜線制限という条件に対して考える一つのきっかけになると考えている。
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