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023 kitchen+cafe Cube
所在地:
東京都昭島市
主用途:
店舗(CAFE)
竣 工:
2004年3月
面 積:
64.42m2
担 当:
高本 貴志
撮影:
小木 壮介
都市計画道路によってビルに一部がくぼみ、唐突に生まれてた3階以上のヴォイド空間が生まれた。簡単に言えば、そこは屋上ではあるが、この建物の形態においても非常に象徴的なものに変えるきっかけとなっている。我々はそんな象徴的なヴォイドをこの建物においてただの裸地に終わらせるのではなく、意味のある存在に変えることを試みた。そこで、そのヴォイドに隣接する一区画をそのヴォイド側に開き、その開かれて生まれた場をカフェにし、ヴォイドの意味を「裸地」から「庭」に転換することを試みた。
つまり、裸地がこの行為によって「カフェ付き屋上庭園」に様変わりすることをねらって提案したのだが、この建物が郊外に位置することから3階に店舗を設けることは「相場としてもあり得ない」と不動産屋より言われたうえ、協力を拒まれた。もちろん、ただの3階であれば我々も納得する話だが、ここはただの3階ではない。緑化規制によって200m2以上もの芝が貼られた庭が広がり、3階ということからその庭で周辺の建物の存在も消え、その上に空が大きく広がる。また、目の前の駅からもこの庭園が眺められ駅利用者の関心を集めることが出来る。少々郊外とはいえこの場は非常に恵まれたところである。こんな条件を都心で探そうとしてもなかなか見つからない。駅前であれば高層の建物が並ぶため、少なくとも3階では同じような環境は得られないであろう。これだけ郊外だからこそ得られる希な商環境といえ貴重な場である。
もちろん、カフェというジャンルの中にはON的なところも多くあり、その場合、路面という条件は必須である。また、都心というところは、他人が寄り集まっている習性からか行き交う人々を見ているだけでも楽しめ、十分路面で非日常感が体験できる。つまり、そこではOFFよりな感覚も十分得られるのだ。ただ、この土地のようにローカルな地域では客も前を歩く人もほとんどその土地の人であるため、路面では日常の生活感がぬぐい去れず、カフェで時間を過ごすことにあまり価値が見いだせない。むしろ、認知度という条件をはずせば、地上よりこの物件のように空と向き合える屋上にある方が家では得られない、非日常的なゆとりを得られ、価値があり、街の人に慕われるカフェの条件となる。
そのように、我々は「カフェ=路面」というステレオタイプな考え方を、一見不利な条件下で、土地の特性と希な建築条件を生かし否定し、新たなタイプを生み出すことを試みたのだ。ただ、相場を無視した計画ゆえ、その分、建物オーナーへの説得、カフェオーナー探し、販促のためのオープニングイベント企画進行と本業を遙かに超えたところにまで携わった。そのため、状況を作るところから「建築」に携わることが出来、形ではない「建築の柔軟性」を新たに発見出来たのだ。
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