| 僕が子供の頃、小学校の脇には駄菓子屋と並んで決まって同じような文具店があった。そこでは画用紙を買ったり、消しゴムを買ったりと学校で必要になるものを、朝、登校前に親からお金をもらって買い足すのだ。(駄菓子屋は度胸試し!?)僕は新しい匂いの消しゴムが見つけると、それがほしくて、まだ使える消しゴムを無理に机にこすってカスを出し、小さくしたものだ。そして、お店の全面に並んだ文房具の中にはたくさんほしいものがあった。そんなものだから、僕は小学校の頃、パン屋と文房具屋の子が羨ましかった。萩原さんはそんな羨ましい子だったわけだ。
しかし、大人になって改めてそんな文房具屋に行ってみると、懐かしくはなるが、お店の小ささや中の通路の狭さで満足に商品を見ることすら出来ず、また、もうそこにあるものを羨ましくは思わなくなっていた。そして、心なしか学校付近にある文具店も寂れてきている気がする。少子化からか?お店の人が年老いたからか?子供が贅沢になって、そんなところでは買わなくなったのか?理由はわからないが、僕が子供の頃のような活気は今の住宅地内の文具店にはない。まさに僕が住む世田谷の自宅前にも同じような文具点があるのだが、この前見たら閉店セールをしていた。世田谷だから?他の地域ではどうなんだろう?
さて、そんなご時勢に萩原さんは文具店を継ぐという。「つくしの文具店」を囲う状況がどんなかはわからないが、普通ならこの手の文具店は世代交代などせず、その世代で幕を閉じる気がする。ただ、萩原さんもそんなことはとうに承知のはず。だから、何を考えているのか?何をするのか?どんな視線をどう扱うのか非常に興味深い。きっと、萩原さんのことだから面白いことをするのだろう。だんだん、この文章を書いているうちにつくしの文具店周辺の人たちが羨ましくなってきた。遠くてついでに行く用はなさそうだが、近々行ってみよう! |