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| 2005.06.10 |
| CCD(クロスコンタードローイング) |
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| さてさて、先日に引き続き水野薬局のルネオフィスでのプロジェクトを通して考えたことをつづります。前回はDTA(デスクトップアーキテクチャ)というそのプロジェクトにおける特殊な工程に関して話をしましたが、今回は形態操作に関してです。今回のプロジェクトではスキーマとしては初めての試みとなる、三次曲面を空間の中に描いています。いままで、三次曲面というものは我々若手には製作コストがかさむため手の届かないものと考えてきました。しかし、以下で説明するシステム、描画方法を利用することでぐっと身近なものに感じられるようになりました。さらにこのプロジェクトを経てこのシステムの可能性を模索したところ、曲面を描けるということ以上にもっと魅力があることにも気づきました。では、以下でそのシステムに関する僕の考察を簡単ですが記してみます。※左図は前回説明した、一枚一枚すべて異なる774枚の板取図の一部です。 |
Cross Contour Drawing(以下CCD)
この三次曲面の描画方法をCCDと名づけてみた。しかし、三次曲面というだけで今のところそれぞれの描画方法を手法として分類する傾向にあまりない。しかし、その必要性を僕はこのプロジェクトを通して自分のツールとして考えたとき必要性を感じるようになった。区別することが新たな可能性を生み出すきっかけとなるからだ。以下の文でその可能性をわずかでも感じてもらえれば幸いである。
三次曲面の描き方にはいくつか方法がある。媒体は二次元ではあるが、デッサンを例に上げてみると、まず基本として点・線・面、それぞれの組み合わせによってモノは描かれる。それは描くという時点では三次元でも同じだ。しかし、我々が扱う世界には重力が存在する。そのため、宙を浮く点ではさすがに扱うことは難しい。従って必然的に線と面が残るのだが今回のプロジェクトでは線、具体的には板の小口で三次曲面を描いた。座標面からの同一高さの地点を線で結んで生まれる曲線の束で描画するコンターをXYZ三方向に作りそれをクロスさせて三次元のフォルムを描いている。しかし、建築のように外部と内部を遮断する必要があり、内部も出来るだけ大きく疎として残さねばならないものでは、えてして面で曲面を描画することになる。いわば、3Dモデリングソフト上でいえばワイヤーメッシュのようなものである。そして、構造美という近代建築以降、当然のものとして考えられてきた思想によって、そのワイヤーメッシュと構造とが一体となって無駄を減らし、その面に構造を担わせることが多くなる。むしろ、それが一つの美として捕らえられてさえいる。しかし、現状我々の持つデスクトップではその構造演算が行えないため、総合作業となりDTAが難しくなり製作コストがかさむ結果となる。
しかし、CCDでは構造と意匠というものを完全に別物として扱うのが特徴である。特に今回のように棚を描画する場合は、棚分の密な厚みを想定できるためそれは適正といえる。一つ一つの材料を分子と捕らえ、それを複数寄せ集めパッキンすることで、三次元化した一つの厚みを持った塊を形成させる。ここで僕はその塊を新たなMaterialsと呼ぶ。このMaterialsは厚みを持つため非常に安定しており、どこを切りとっても基本的には安定した構造になる。ここまでのシュミレートをデスクトップ上で行う。そして、そのMaterialsは次に、意匠上の条件によってブーリアン演算し、好き勝手に削られ、フォルムが浮かび上る。そこでは「ドラえもん」や「星」だってだいたいの形は描ける。そのフォルムが出来たところでまたそのMaterialsは分子つまり材料に分解され、それが板取図となるのだ。つまり、その時点では二次元となっているためいわゆる在来の加工(NCも含む)でそのパーツを形成することが出来る。ここまでの工程はすべて我々意匠設計側のデスクトップ上で行うことが出来る。また、工程相互の関係はPCの計算・記憶能力の高さから、非常にクールで互いにあまり規制を持たずに行えるため、おのおのタームにおいて分離しオーダーが与えられる。そのため、後々、オブジェクトを以下のような表記方法で認識させることも可能になるであろう。
例)Materials(CCD_A2*S7) / Folum(Doraemon_00120) / Scale1(XYZ:3・4・2)。
いたって、DTA(デスクトップア-キテクチャ)らしい表記方法であり、広い可能性を感じる。
もちろん、デスクトップ上に構造の演算も同時に行える時代が訪れれば、ワイヤーメッシュでもDTAは可能になるであろう。そんな時代も楽しみであるがその頃は「どちらでもいいよ。人に任せよ。」といえる身分になっていたいものだ。
昨日、竣工写真も上がってきたので、次回はWORKSにて使う側の視点から考えた、このプロジェクトのコンセプト文をわかりやすく書きたいと思います。
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| 2005.06.07 |
| DTA(デスクトップアーキテクチャ) |
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| 先週の土曜日はしばらく前に竣工した水野薬局の竣工写真の撮影とPenの取材がありました。Penは来月発刊予定のオフィス特集で掲載予定です。書店に並んだら見てみてくださいね。しかし、土曜日はいろいろな人にお会いし、いろいろお話をしました。朝、寝ぼけ眼で英訳をお願いしている前田さんに渋谷駅で会い、募る話をいろいろ聞いているうちに本郷三丁目につき駅を上がったら、今度は青木淳さん。そして、目が覚め、その後、現地に行き、ライターの伏見佳子さん、Penの渡辺さん、カメラマンの阿野太一さん、新建築中村さん、ISSHOデザインの藤村君、ベラジュン君と気の抜けない会話が連発。これが普通なのかもしれませんが、ふだん、出不精気味の僕は、ついつい事務所で図面を書いているのを理由に外との交流を避け気味なのでその日はかなり刺激的な日で、疲れました。でも、疲れたなりのことはあり、後述の通り、最近の僕の興味を少しまとめることが出来ました。以下、是非お読みください。
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さて、その興味ですが、先日手がけた水野薬局のプロジェクトを通して、考えた、DTA(デスクトプアーキテクチャ)という私が名づけた造語のシステムに関してです。
DTA(デスクトプアーキテクチャ)とはDTP (デスクトップパブリッシング)から派生させた言葉ですが、コンピュータのデスクトップ(コンピュータの画面上)で建築物が製作できてしまうということです。もちろん、バーチャルリアリティーの話をしているわけではなく、実空間に落とすことを目的としています。従来、意匠図、施工図、板取図という工程で建築の計画は進み、また一昔前であればすべて手書きゆえ、それぞれ新たに一から書き直すことが当たり前で、またさらにそこから職人の手を通し、モノが加工され、また現場で組みあがるという幾人もの手を介し建築化されてきました。我々、意匠設計はその一番最初の方向付けを行う立場ですから、当然、人への伝達を目的とし図面をわかりやすく製作します。そして、その後、最後までその図面が実際に反映されてゆくか、いわば伝言ゲームが正確に行われているかを監理してゆきます。おそらく、これだけ人の手を介すためにデザインの規制も多くあります。また、逆にデザイン主体で無理をしたときどうしてもその設計内容の不透明さがきっかけでリスク回避として工事金額が不当に跳ね上がってしまいます。それは今現在も建築界ではあまり変わってはおりません。むしろ、歩留まりのよさを美徳とし、それがひとつのモダニズムという近代の思想を生み出す気賭けになっていたりもします。ただ、他の分野、出版だけでなく、映画や音楽あらゆるメディアでは画期的にその辺が改善され自由度が増しています。むしろ、それも通り越し、またアナログな感覚が愛されたり、無理にデジタルでノイズを作ったりしています。
そんな中、僕は建築の中でもそれを可能にするひとつのシステムを最近見つけ、それに誤読を重ねひとつの明るい道の前にたどり着きました。その最初の作品がまだワークスに追加できていない、以前このニュースで扱った水野薬局のオフィス計画です。
この計画では基本設計から板取図まで一切をデスクトップで作成し、その後NCカッターという、これまたコンピューター制御のマシンに載せ材料のカットを行いました。指示を出す相手がコンピューターであるため、すべてパーツが異なるものでも一切文句を言わず同じ調子でカットしてゆきます。実際、このプロジェクトでは774枚もの部材が使われていますが、すべて異なる材料で構成されています。もちろん、組む作業に関しては、人の手を介すのですが、ここでも職人にすべてを理解させるのではなく、我々設計した者が現場で指導を行い組むため、職人にリスクをもたせず、結果的に無駄な経費を一切省かれています。
と、とりあえず、ここまでDTAに関して説明をさせてもらいました。次は主の目的である形態操作の自由度をご説明したいと思いますが、その話は明日になるか明後日になるか、時間を見つけて書きますのでしばらくお待ちください。竣工写真は今きっと阿野さんが整理してくださっているのでそれを待ってアップしますのでそれももうしばらくお待ちを! |
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| どうでした?読んでいただけましたか。
双方、視点が異なりますがなかなかうれしいコメントを頂けています。が、同時に両者共に、(行間を読むと)どうも共通して気になる部分があるようです。その溝は近々私の言葉で埋め合わせをしようと思いますが、現在、竣工写真の撮影中故、それが上がり次第写真とともにWORKSで話させてもらいます。
ではでは。(長坂)
写真:松島潤平撮影 |
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